（参考）神吉−越畑断層、日吉ダム工事現場のトレンチ発掘調査について
日吉ダムの工事現場、世木林地区で活断層のトレンチ発掘調査が行われ、１９９７年３ 月１２日に京都大学大学院理学研究科地球物理学教室の竹村恵二氏が撮影した発掘現場の 写真が提供された。 この断層は、神吉−越畑断層と呼ばれ、都市圏活断層図には、全体的には位置のやや不 明確な活断層として表示されているものであるが、この発掘現場付近では地形から位置も すでに決定されていた。今回の調査でそれが再確認された。また、現在活動中の断層であ ることを示す上部の地層の明瞭なずれが出たので、地層の年代測定の結果などが出れば、 活動の履歴も明らかになることが期待される。 １９９６年度の京都府活断層調査委員会では、当初、この地域が活動履歴を調べるため に最適であると指摘し、京都府に検討してもらったが、残念ながら府は調査できないとい う結論を出し、しかたなく府の調査は別の場所で実施した。 その後、水資源開発公団が独自に調査を行っているという情報を得て、京都府活断層調査委 員会のメンバーの一部が現地を視察し、やはりこの断層系の調査に最適の場所であったこ とを確認した。どのような形にしろ、貴重な情報が得られたことは幸いである。この調査 結果も、京都府の地震防災対策のための基本情報として活用してほしいと願っている。
６．東から見た全景。手前からC、A、D、Bトレンチ。左手奥がダムの位置。
